【夢よ、氷の火ともなれ 佐藤惣之助生誕130年記念展】に寄せて
2020年08月21日
佐藤惣之助の生の航跡は、左右に揺れ動きながら、しかし、船首は常に南に向いていた。詩や戯曲、作詞や論考などの風を受けて膨らんだ帆が推力を生んで、スピードの衰えない航路だった。
南方は、市井のしがらみなど無い自由と、美しく純な人間が住むイメージ。南を見続けた惣之助は、ビーチカマーを夢見ていたのではなかったか。そんな勝手な想像すら湧いてくる。
船は、蛇行し彷徨するほど、美しい航跡を描くのである。
2020年08月21日
佐藤惣之助の生の航跡は、左右に揺れ動きながら、しかし、船首は常に南に向いていた。詩や戯曲、作詞や論考などの風を受けて膨らんだ帆が推力を生んで、スピードの衰えない航路だった。
南方は、市井のしがらみなど無い自由と、美しく純な人間が住むイメージ。南を見続けた惣之助は、ビーチカマーを夢見ていたのではなかったか。そんな勝手な想像すら湧いてくる。
船は、蛇行し彷徨するほど、美しい航跡を描くのである。